昨日ロフトプラス1で開かれた映画評論家・町山智浩さん
のイベントをユーストリームで鑑賞。
生中継だったが、後半からTwitterで参加という感じで。
『インセプション』に関して話すとご本人もおっしゃられていたので、
慌てて火曜日に観に行ったけれど、映画としてもけっこう凝った作りで
難解と捉える人が多いのではないかという印象。
『メメント』や『ダークナイト』、『フォロウイング』などノーラン作品が好きな僕は
ディカプリオという時点でどうかな?と思っていたけれどたいへん面白かった。
個人的には飽きがこなかった映画。
話の作りが多重構造になっているからだろうな、と思う。
さて町山さんのイベントだが序盤からほぼネタバレ全快。
見ておいて良かった(笑)。
『インセプション』に関してすごく幅広い捉え方をして、
「植え付け」の意味を拡大解釈し、様々な映画とそれを批評する人たちを絡め、
現状の映画批評業界やブロガー等々への痛烈な皮肉と警鐘を込めたイベントが展開。
彼らしい偏っているけれど筋が通っている見識で進んでいく話は楽しく、
映画から神学論、哲学論へと展開し、アリエッタを経由して北野武で幕を閉じていった。
かなりエキサイティングな映画学概論という感じで、わかりやすく、
その内容が濃いだけに、終盤の会場参加者からの質問がつまらなくてつまらなくて…
まあそれはおいておいても、映画の見方は人それぞれ価値観に付随してくる。
それは当然作り手も含めてであり、作り手側の意図を読み取ったうえで
作品を評価しないと批評にならないという町山さんの指摘はしごく正しい。
映画の印象だけをなぞった批評ばかりが溢れていて、その映画を理解しようとしていない、
それが映画産業を堕落させたといわんばかりのトークは激しく、
心揺さぶられる3時間だった。
Ust中継ありがたいなあ、しかし。